法務省が
法無省になる日
Ministry of NO Justice
検察官勤務延長・検察庁法改正について考える
(2020/5/21追記)
【黒川検事長辞任意向報道に接して】
黒川検事長の辞任の意向について報道されていますので,少しコメントさせていただきます。
黒川検事長の辞任の意向について報道されていますので,少しコメントさせていただきます。
そもそも勤務延長に法的根拠がないことは,法律家であれば誰でも分かることですから,辞任は別の理由でもっと早くされるべきだったのだと思います。
国会で,検察庁法改正の立法の必要性を示す立法事実は,黒川氏の件以外にはないと,法務大臣が答弁しました。その黒川氏が辞任に至る以上,ますます検察庁法の改正は不要となったといえるでしょう。
速やかに検察官勤務延長の特例部分を削除した上で,国家公務員全体の定年延長は当然のことですから,そのような立法がなされるべきです。それが国会の責任だと思います。
速やかに検察官勤務延長の特例部分を削除した上で,国家公務員全体の定年延長は当然のことですから,そのような立法がなされるべきです。それが国会の責任だと思います。
今後問題となる「責任」は他にもあります。
一つは,法を曲げて黒川氏の勤務延長を強行し,この国の法の支配を危機に陥れた政権の政治責任。
憲法に対する無理解をさらけ出した,そのみっともないありようを自ら正す責任が,首相をはじめ政権にはあるでしょう。
一つは,法を曲げて黒川氏の勤務延長を強行し,この国の法の支配を危機に陥れた政権の政治責任。
憲法に対する無理解をさらけ出した,そのみっともないありようを自ら正す責任が,首相をはじめ政権にはあるでしょう。
もう一つは,検察の「責任」です。
私たちが今回の件で立ちあがったのは,何も検察の現状を全面的に肯定したからではありません。
検察に様々な問題があることを理解しつつも,今回の検察庁法改正で,政府や財界の巨悪に対して正義のメスを入れる検察の機能が完全に失われる,そのことだけは何としても防がなければならない,という強い思いからです。
私たちが今回の件で立ちあがったのは,何も検察の現状を全面的に肯定したからではありません。
検察に様々な問題があることを理解しつつも,今回の検察庁法改正で,政府や財界の巨悪に対して正義のメスを入れる検察の機能が完全に失われる,そのことだけは何としても防がなければならない,という強い思いからです。
検察には,私たちのこの思いを受け止めて,しっかりと「責任」を果たしてもらいたい。
そして,もう一度「検察の理念」に立ち戻り,透明性のある,国民の付託に応える検察のあり方を追求してもらいたいと思います。
そして,もう一度「検察の理念」に立ち戻り,透明性のある,国民の付託に応える検察のあり方を追求してもらいたいと思います。
【ページを立ち上げた思い】
私も法律家の端くれである。
ホントの端くれ,吹けば飛ぶような端くれだが。
私も法律家の端くれである。
ホントの端くれ,吹けば飛ぶような端くれだが。
それでも法律家である以上,検察官にもたくさん知人・友人がいるし,彼らがこのページを目にしたときの気持ちを想像するに,少々つらいものはある。
しかし,どうしてもこの不正義は放置できない。
いま,私たち法律家の目の前に展開されているのは,法治国家としてのこの国の根幹を揺るがす重大事態である。
法の支配の崩壊の危機である。
いま,私たち法律家の目の前に展開されているのは,法治国家としてのこの国の根幹を揺るがす重大事態である。
法の支配の崩壊の危機である。
政権によって,司法の重要な一翼を担う検察の人事が勝手にいじられる。
検察のトップが政権の都合のよい人によって占められる。
そんなことで,検察が正義を守れるわけがない。
政権の中枢に迫る,重大汚職事件や政権の様々な不正に,正義のメスを入れられるはずがない。
検察のトップが政権の都合のよい人によって占められる。
そんなことで,検察が正義を守れるわけがない。
政権の中枢に迫る,重大汚職事件や政権の様々な不正に,正義のメスを入れられるはずがない。
端くれである私の力など,本当に吹けば飛ぶようなものに過ぎないけれど,それでも,絶対に,この政権による検察支配は許せない。
それを止めるために,端くれなりにできることをしたい。
それを止めるために,端くれなりにできることをしたい。
それが,検察に対する,司法に対する,市民の信頼を守る道なのだ。
私たち法律家は,法と正義のためにたたかうんだと,市民に信じてもらいたいのだ。
私たち法律家は,法と正義のためにたたかうんだと,市民に信じてもらいたいのだ。
法務省が法無省になる日,それは,政権が法を曲げて勤務延長した1人の検察官が,検察のトップになる日だ。
そのディストピアだけは,何としても避けなければならない。
そのディストピアだけは,何としても避けなければならない。